ルカの福音書1章39-56節
39. それから、マリアは立って、山地にあるユダの町に急いで行った。
40. そしてザカリヤの家に行って、エリサベツにあいさつした。
41. エリサベツがマリアのあいさつを聞いたとき、子が胎内で躍り、エリサベツは 聖霊に満たされた。
42. そして大声で叫んだ。「あなたは女の中で最も祝福された方。あなたの胎の実も祝福されています。
43. 私の主の母が私のところに来られるとは、どうしたことでしょう。
44. あなたのあいさつの声が私の耳に入った、ちょうどそのとき、私の胎内で子どもが喜んで躍りました。45. 主によって語られたことは必ず実現すると信じた人は、幸いです。」
46. マリアは言った。「私のたましいは主をあがめ、
47. 私の霊は私の救い主である神をたたえます。
48. この卑しいはしために目を留めてくださったからです。ご覧ください。今から後、どの時代の人々も私を幸いな者と呼ぶでしょう。
49. 力ある方が、私に大きなことをしてくださったからです。その御名は聖なるもの、
50. 主のあわれみは、代々にわたって主を恐れる者に及びます。
51. 主はその御腕で力強いわざを行い、心の思いの高ぶる者を追い散らされました。
52. 権力のある者を王位から引き降ろし、低い者を高く引き上げられました。
53. 飢えた者を良いもので満ち足らせ、富む者を何も持たせずに追い返されました。
54. 主はあわれみを忘れずに、そのしもべイスラエルを助けてくださいました。
55. 私たちの父祖たちに語られたとおり、アブラハムとその子孫に対するあわれみをいつまでも忘れずに。」
56. マリアは、三か月ほどエリサベツのもとにとどまって、家に帰った。
第三アドベント礼拝
2022年12月11日
ルカの福音書1章39-56節
「信じ切ることの幸い」
アドベントの第3週目です。12月も半ば近くなり、慌ただしく忙しい毎日をお過ごしの方もおられるかと思います。お疲れもたまって来ているかもしれません。この朝も、神様から新しい力と励ましをいただいて、新しい週へ踏み出して行きましょう。
今年のアドベントは、ルカの福音書からイエス様誕生へ向かう道のりをたどっています。先週のマリアへの受胎告知に続く出来事に注目します。ルカ1章39,40節
それから、マリアは立って、山地にあるユダの町に急いで行った。そしてザカリヤの家に行って、エリサベツにあいさつした。
どうしてマリアは急いで行ったのでしょうか? マリアが向かった先は親類のエリサベツのもと。山奥へと険しい道を足を速めて進んで行った理由は何だったのでしょうか? 未婚の母となってしまって、ナザレ村に居づらくなってしまったからでしょうか?
それ以上に、マリアは確かめたかったのではないかと思います。御使いガブリエルの約束をその目で確かめに行ったのです。ルカ1章36,37節
見なさい。あなたの親類のエリサベツ、あの人もあの年になって男の子を宿しています。不妊と言われていた人なのに、今はもう六か月です。神にとって不可能なことは何もありません。」
処女である自分のお腹の中に「男の子が宿る」と神様は約束された。人間の常識をはるかに超えた奇跡的妊娠をマリアが受け入れ、信じることができるように、神様はエリサベツの妊娠を例に挙げてくださったのです。六十代半ば、もう妊娠が難しい高齢のエリサベツにも子どもが与えられたのです。マリアは「神様には本当に不可能なことがない」ことを確かめたかったのではないでしょうか!? この驚き、この感動をエリサベツと分かち合いたかったのではないでしょうか!? 強烈な体験をした者同士の強いつながり、互いに特別な妊娠をした「ママ友」として、その体験を共有し、共に神様に祈りたかったのではないかと思います。
マリアがエリサベツに会って、挨拶をした瞬間、不思議なことが起こります。41節
エリサベツがマリアのあいさつを聞いたとき、子が胎内で躍り、エリサベツは 聖霊に満たされた。
エリサベツのお腹の中にいた赤ちゃん、後のバプテスマのヨハネですが、その子がマリアの声を聞いて反応し、激しくお母さんのお腹をキックしたのです。そしてエリサベツは聖霊に満たされ、大声でマリアに語りかけます。42節
そして大声で叫んだ。「あなたは女の中で最も祝福された方。あなたの胎の実も祝福されています。
この表現は、この上もなく祝福された人よ!という意味があります。最上級の、地球で一番祝福されているという意味です。神様の特別な祝福、最上の祝福をいただいているマリアさん、そして胎の実とは、まだ胎内におられるイエス様です。エリサベツはさらに感動して言います!43節、
私の主の母が私のところに来られるとは、どうしたことでしょう。
マリアに宿っている子は普通の子ではない。超特別な子ども、主なる神様ご自身がマリアの胎内におられる!とエリサベツは示され、感嘆の声を上げています。そして45節、
主によって語られたことは必ず実現すると信じた人は、幸いです。」
マリアへの受胎告知の現場に自分もいたかのように、エリサベツは聖霊に示されて語りました!
「ご覧ください。私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおり、この身になりますように。」(1:38)
マリアのこの信仰告白を神様は喜んでくださっているよ、良かったね!マリア! エリサベツを通して、神様の温かいみ声が聞こえてきたのではないでしょうか。
「えっー!神様、そんなこと私には無理です。辞退させて頂きます」と私なら答えてしまうかもしれません。けれどもマリアは「おことばどおりに、この身に」と、神様の主権・みこころ・ご愛に、自らの身も人生もすべてを委ねたのです。
そんなマリアは、エリザベスから「あなた本当に幸せね」と言われ、素直に答えます。
48節「今から後、どの時代の人々も私を幸いな者と呼ぶでしょう。」
私たち日本人はなかなかこうは素直に言えないですよね。「幸せね。良かったね」と言われても、「いやあ、そんなことないですよ~」とか、「喜んでばかりもいられなくてね、色々と大変なんですよ」と言ってしまうかもしれません。
しかしこの時、エリサベツは聖霊に満たされて語り、答えるマリアも聖霊に満たされて主を高らかに賛美して言いました。46-48節、
「私の霊は私の救い主である神をたたえます。この卑しいはしために目を留めてくださったからです。ご覧ください。今から後、どの時代の人々も私を幸いな者と呼ぶでしょう。力ある方が、私に大きなことをしてくださったからです。-」
本当に幸せ!と言えたマリア、そして神様を心から賛美しているマリアです。先週も触れましたが、マリアが置かれていた状況は厳しいものでした。今も、これからも大変なことが待っています…。イエス様を生み、育てていくにあたって、つらいこと、悲しいこと、恐ろしいことも沢山経験していかなければなりませんでした。
それでもマリアは幸せを心いっぱいで、身体いっぱいで感じていたのです。先週も触れましたが、神様の大きな愛とあわれみ深さを感じたマリアは、幸せでいっぱいでした。さらに
「私たちの父祖たちに語られたとおり、アブラハムとその子孫に対するあわれみをいつまでも忘れずに」(55節)
と、イエス様到来ともたらしてくださる御救いは、はるか二千年も前から信仰の父アブラハムに約束されたことだったのだ!とマリアは悟ったのです。神様は約束を決して忘れないお方なのだ!私たち人間が神様との約束を忘れてしまっても、また破ってしまっても、神様は約束されたことを実現してくださるのです!
* アブラハムへを通しての神様の永遠に変わらないあわれみの約束
創世記17:19 神は仰せられた。「いや、あなたの妻サラが、あなたに男の子を産むのだ。あなたはその子をイサクと名づけなさい。わたしは彼と、わたしの契約を立て、それを彼の後の子孫のために永遠の契約とする。
* ダビデを通しての神様の永遠に変わらないあわれみの約束
詩篇132:11 主はダビデに誓われた。それは主が取り消すことのない真実。「あなたの身から出る子をあなたの位に就かせる。132:12 もしあなたの子らがわたしの契約とわたしが教えるさとしを守るなら彼らの子らもとこしえにあなたの位に就く。
今日のみことばに、「幸いです」と言うエリサベツの言葉と「私を幸いな者と呼ぶでしょう」とのマリアの言葉が出てきます。この「幸せ」って、どんなものでしょうか?
- 神様は、私のような者に目を留めていてくださり、私のようなものを選んでくださり、尊い働きのために用いてくださる。そのことを信じ、受け入れることが出来た幸せ!
- 神様が、どんなに偉大で素晴らしいお方なのかを知ることが出来た幸せ!
- 神様が、本当に大きな愛を持っておられ、私たちに対してあわれみ深いお方であるかを体験できた幸せ!
これこそ主を信じ、主を信じ切って生きていきたい私たちの求めて生きたい幸せではないでしょうか? 主に従って生きていきたいと願っている、私たちの体験したい幸せではないでしょうか?
詩篇136篇のみことばを交読しました。この詩の4節以降は、神様の天地創造の御業また出エジプトの救いの御業を思い出しながら、「主に感謝せよ」、「主の恵みはとこしえまで」と歌っています。しかし1~3節までは、ただ神様が神様でいてくださることに感謝します。神様が私たちの主でいてくださることに感謝します、と言っています。神様が私たちの神様でいてくださる、もぅそれだけで十分です。それだけで満足です。それだけでうれしいのです。それだけで感謝です。神様、あなただけを見上げ、あなただけを信頼しますと。
たとえこれから先、私がどんな状況に置かれたとしても、神様あなたは私の神様です。だから感謝します。だから信頼します。そのような信仰を私たちも持てたら幸いです。そんな信仰から来る幸せを、私たちも味わっていきたいと思います。
祈りましょう。
みことばへの応答
Q. 考えてみましょう。以下、自由にご記入ください。
① 「受胎告知」を信仰をもって受け入れるマリア、その喜びと幸せを共有するエリザベツ。二人の姿から、どのようなことを教えられますか?
② 主なる神様が、「ただ神様でいてくださるだけで感謝・うれしい!」そのような思いをされたことがありますか?
お祈りの課題など
福井中央キリスト教会 【日本同盟基督教団】
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