8. どうして賛美をする時、立って歌うんですか? 【礼拝プログラム解説】

   以前、千葉県にあるロシア正教会の聖堂を見学したことがあります。礼拝堂には会衆用の椅子がありませんでしたので、理由を尋ねました。会堂管理をされている方が、「正教会の礼拝では司祭も会衆もずっと立って礼拝するのですよ」と教えてくださいました。聖なる神様の前に身を置く時に、椅子に座すことなど畏れ多くて出来ないという信仰姿勢が表れているようで、襟を正されました。

 調べてみますと、「正教会のミサは司祭が行うと2時間、主教3時間、総主教4時間が普通。復活祭の祈りは夜11時半に始まり朝5時まで続く。」それをずっと立ったままで行うそうです。体力勝負ですね。

 私たちの教会には会衆席があり、座って礼拝メッセージなどを聞きますが、それでも賛美や主の祈りなどの際には、一同起立します。体調の優れない方や足腰に痛みを抱えておられる方以外は「皆さんお立ちください」と案内がなされます。

 座ったままよりも、立ち上がった方が声を出しやすいという理由もあるでしょうが、それ以上に、心を高く上げて、喜びと感動を主におささげしたく、私たちは立ち上がるのではないでしょうか。

 教会音楽博士の天田繋(てんだつなぐ)師は、著書の中で、会衆賛美で心がけたいことは「良い姿勢ではっきりと」と記しています。「歌集を持って見ながら歌うと、どうしても姿勢が悪くなりがちである。当然、楽に声を出すことは出きない。背筋をピンと伸ばした良い姿勢で、口をはっきりと開けて端正に歌うようにしたい。」、「賛美はささげるものであるから、律儀で当然、心を込めて差し出す思いは態度にまず表れる。」― 

 コロナ禍で声高らかに賛美することが困難な昨今ですが、立ち上がり、主に心を向けていきましょう。

 「祭司たちは、その務めに従って立ち、レビ人も、主の楽を奏する楽器を手にして立っていた。― 全イスラエルは起立していた。」Ⅱ歴代7:6

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福井中央キリスト教会 【日本同盟基督教団】

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